振り返って見るに1980年代から1990年あたりまでの10年間はまさしく[パソコン]・ルネッサンスといってよい時代だったように思う。
ちなみにルネサンスの用語例は8,9世紀にすでに見られ、その時期に残存する古典古代文化の復興の努力をさしたと言われる。しかし論者によってルネサンスの定義は、しばしば大きく異なるがここでは小難しい定義はともかく「輝かしい時代」「黄金時代」といったニュアン
スを含ませている。
まさしく1980年あたりからの10年間はパーソナルコンピュータの黄金期でありまだまだパソコンの能力は非力だったものの未来は明るくさらなる発展が待っていた。
ビジネスにおける利点は申し上げるまでもないが、これまで個人ではでき得ないあれこれがパソコンとソフトウェアの登場で実現できるようになりアーティストたちの表現力も格段に広がった。
ルネサンスの到来は、単に芸術や学問の復興以上のものを示し、それは人間の可能性を再発見し、個々の自由と創造性を尊重する文化的・精神的転換点となるに違いない。したがって、ルネサンスは「再生」といった意味合いだけでなく、未来への新たな道をく「到来」でもあったのだ…。
本書は個人的な体験ながらそうした時代を身をもって体現した筆者自身の記録である。現在我々の日常に無くてはならないガジェットやテクノロジーも一瞬にして出来上がったわけではない。
ということで今一度、パソコンのテクノロジーが大きく開花したこのルネサンス時代の出来事を振り返って見るのも無駄ではないと考える。そんな時代のあれこれを思い出して懐かしむのも良いが、「温故知新」〜そこにはさらなる未来の “種” が多々存在するのでは無いだろう
か。
お楽しみいただければ嬉しい。