寺院は,古代日本の社会・国家そして文化を考究するための豊かな歴史情報の宝庫だ.六世紀末の飛鳥寺の創建に始まって,律令国家の形成と歩を共にしつつ,奈良・平安時代へと独自の展開をとげていった古代寺院の多様な実像を,文献史学・歴史考古学・美術史学・建築史学の最新研究の成果から明らかにし,後代に及ぼした影響や歴史的意義を論じる.
刊行にあたって
〈古代寺院〉への招待……………吉川真司
古代寺院の生態……………吉川真司
遺跡からみた古代寺院の機能……………菱田哲郎
古代寺院の仏像……………藤岡 穣
寺院建築と古代社会……………海野 聡
古代寺院のネットワークと人々……………ブライアン・ロウ(翻訳=山口えり)
座談会〈寺院史〉研究の可能性(吉川真司・菱田哲郎・藤岡穣・海野聡・吉村武彦)
日本古代寺院史略年表