歴史学から災害史・環境史を問う試みが意欲的に行われる今、古代史研究から現代に向けて言えることは何か。考古学および古気候学・地質学など自然科学諸分野の成果を参照しつつ、火山噴火・地震・津波等の自然災害、また飢饉・疫病等が社会にもたらした被害の実態を復元し、災害に向き合った人々の姿や復興の様子に迫る。
刊行にあたって
〈災いと病〉を考える……………川尻秋生
古代の災害と社会……………今津勝紀
貞観地震・津波による陸奥国の被害と復興……………柳澤和明
古墳時代の榛名山噴火……………右島和夫
飢饉と疫病……………本庄総子
律令制の成立と解体の背景としての気候変動……………中塚 武
《個別テーマをひらく》
十和田の火山泥流……………丸山浩治
《個別テーマをひらく》
開聞岳の火山灰……………松崎𠄁大嗣
座談会 新しい〈災害史・環境史研究〉へーー古代からの展望
……………(川尻秋生、今津勝紀、柳澤和明、右島和夫、本庄総子、中塚武、吉村武彦)
関係資料