約2000年前に「漢委奴国王」印を授与された奴国、邪馬台国連合、ヤマト王権……。この日本列島において、実際にはどのようにして王が誕生し、統一を果したのか。考古資料を駆使して、王が出現し、王として認められた歴史的条件を解明する。さらに古代の皇位継承の仕組みから、天皇と中国皇帝のあり方を対比しつつ検討する。
刊行にあたって
〈古代王権〉を考える……………吉村武彦
「王」になった大首長ーー弥生社会の変貌……………岩永省三
ヤマト王権の威信財とレガリア……………辻田淳一郎
古代の皇位継承と天皇の即位……………藤森健太郎
古代王権の由緒と正統性ーー東アジアにおける国家祭祀と王権儀礼……………仁藤智子
《個別テーマをひらく》
文人が創り上げた天皇像……………ジェイスン・P・ウェッブ
座談会 古代日本における〈王権〉とは
(吉村武彦、岩永省三、辻田淳一郎、藤森健太郎、仁藤智子、川尻秋生)
古代王権関連略年表
古事記・日本書紀の天皇表
弥生・古墳時代の時期区分と各種器物の変遷図