〈道長の世〉とイメージされる摂関政治は、「改修された古代政治の到達点」か、「中世的ネットワーク政治の出発点」か? キサキや女房、受領、文人、また同時代の高麗史も視野に、古記録に加えて王朝文学なども活用しつつ、最前線の議論をわかりやすく提示。歴史を考える面白さが詰まった、今後の新たな研究の礎となる一冊。
刊行にあたって
〈摂関政治〉を考える……………吉川真司
古代政治としての摂関政治……………大津 透
中世政治としての摂関政治……………告井幸男
「后」たちと女房文学……………山本淳子
受領の支配と奉仕……………小原嘉記
高麗前期の統治体制の変容と対外関係……………豊島悠果
《個別テーマをひらく》
内裏という政治空間ーー内侍所を中心に……………岸 泰子
《個別テーマをひらく》
文人たちの生存戦略……………鈴木 蒼
座談会 摂関期は古代か中世か
(吉川真司、大津透、告井幸男、山本淳子、小原嘉記、豊島悠果、川尻秋生)
天皇・母后・摂関年表
摂関政治期年表