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タイトル |
人間晩年図巻 2000-03年(ニンゲンバンネンズカンニセンカラゼロサンネン) |
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同時代人への哀惜をこめ、感傷に流れず過去を検証する。著者畢生の「晩年図巻」シリーズ待望の続編は、〈ミレニアム〉に湧き立った二〇〇〇年から、誰もが言葉を失った二〇一一年三月一一日まで、平成中期に世を去った八〇人の晩年を描き出す。本巻には元祖『人間臨終図巻』の山田風太郎、古今亭志ん朝、張学良、ナンシー関らを収録。
2000年に死んだ人々
仙波龍英(過度の飲酒の結果の衰弱死か・48歳)………「青春の物語」を拒むつぶやき
梶山静六(閉塞性黄疸・74歳)………マスコミが聞き流した公式答弁
青江三奈(膵臓がん・59歳)………歌えさえすれば「あとはおぼろ」で構わない
吉田清治(直腸がん、結核性肺炎・86歳?)………「謝罪業」
大貫久男(心筋梗塞・62歳)………筋骨隆々の心筋梗塞
2001年に死んだ人々
並木路子(入浴中に心筋梗塞・79歳)………「リンゴの唄」が決めた「昭和戦後」の色
田山幸憲(舌がん・54歳)………東大中退パチプロ人生
山田風太郎(糖尿病、パーキンソン病、肺炎・79歳)………「戦中派天才老人」の晩年
モハメド・アタ(自爆死・33歳)………テロの世紀をひらいた男
古今亭志ん朝(肝がんの肺転移・63歳)………早い、あまりにも早い
張学良(肺炎・100歳)………「晩年」六十五年
左 幸子(肺がん・71歳)………映画女優の全盛期とは?
2002年に死んだ人々
ビリー・ワイルダー(肺炎・95歳)………『サンセット大通り』の風景
トール・ヘイエルダール(脳腫瘍・87歳)………世界への「再参加」と「探検記」
柳家小さん(五代目)(睡眠中に心不全で死去・87歳)………落語と剣道
矢川澄子(自死・71歳)………「不治の少女」
ナンシー関(虚血性心不全・39歳)………「心に一人のナンシーを」
岡田正泰(急性肺炎・71歳)………弱小球団と「東京音頭」の物語
2003年に死んだ人々
尹学準(突発性間質性肺炎・70歳)………密航以来五十年
安原 顯(肺がん・63歳)………「スーパー・エディター」の鬱屈
天本英世(急性肺炎・77歳)………「ホームレス」になりかけた「死神博士」
加藤大治郎(レース中の事故死・26歳)/阿部典史(公道走行中の事故死・32歳)………天才たちのあっけない死
チャールズ・ブロンソン(アルツハイマー、肺炎・81歳)/西村彦次(腎臓がん・82歳)………社名を変えさせたCM
ネルソン吉村大志郎(脳出血・56歳)………きれいなネコのようなネルソン