千里を行くものは九九九里をもって半ばとす,とて,ようよう西方み仏の地に足を踏み入れた一行,平穏無事の旅はまことに極楽の地を行くごとし.どっこい,苦難の旅の終りも間近,大天竺国にて国をあげて賑やかなその日,婿選びの綉球投げにて三蔵を狙うのは,取経の聖僧を待ち受ける,国王のにせ公主であった.(全十冊完結)
第九十一回金平府にて元宵 観灯すること玄英洞にて唐僧 白状すること
第九十二回三僧 青龍山にて大いに戦うこと四星 犀牛怪をば挾んで捕ること
第九十三回給孤園にて古を問い因を談ること天竺国にて王に朝し偶に遇うこと
第九十四回四僧 宴して御苑に遊ぶこと一怪 空しく情欲を懐くこと
第九十五回玉兎 形骸を仮り捕縛されること真陰 霊元に会し帰正いたすこと
第九十六回寇員外 高僧を待すこと唐長老 挽留を辞すこと
第九十七回金 外護に報いて魔毒に遭うこと聖 幽魂を顕わし本原を救うこと
第九十八回猿馬が馴れてこそ殻を脱すること功行が満ちたれば真に見ゆること
第九十九回九九の数完うし魔は尽く滅ぶこと三三の行満ちて道は根に帰すこと
第 百 回東土へ径ぐ回ること五聖は真と成ること
解 説
訳 注