自助努力を強要し、弱い個人たちを分断する政治から、かけがえのない存在として人びとがつながり合う政治へ。ホロコースト、人種差別、貧困……。過去から現在に至る構造的・歴史的不正義の責任を引き受け、政治を変革する可能性を問う。急逝した著者のためにマーサ・ヌスバウムが寄稿した序文も収録。解説=土屋和代
謝辞(ディヴィッド・アレクサンダー)
序文(マーサ・C・ヌスバウム)
第一章 自己責任から政治的責任へ
第二章 正義の主題としての構造
第三章 「罪」対「責任」--ハンナ・アーレントをめぐるひとつの読解、そして実践的批評
第四章 社会的つながりモデル
第五章 国境を越える責任
第六章 責任を避ける
第七章 責任と歴史的な不正義
訳者あとがき
岩波現代文庫版訳者あとがき
解説「鳥籠」を解体し、異なる未来を築くためにーー現代アメリカにおける刑罰国家の拡大と脱ー福祉国家化を考える……土屋和代
事項索引
人名索引