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タイトル |
母は不幸しか語らない(ハハハフコウシカカタラナイ) |
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母の愛に疑念をいだいた娘たちは「墓守娘」「母重」という自己確認の言葉を獲得した。その母は団塊世代に属し、また高齢の母を介護する立場は娘である。あまり言及されてこなかった団塊女性を1970~80年代の時代背景を入れて考えると、何がみえてくるのか。また100歳超えの高齢者が6万人という現代に、母娘問題は「老いた母とのつきあい」をぬきには語れない。娘の子育てに懸念をいだき孫のことが心配でたまらない、孫の不登校を悩む祖母の相談は増える一方だ。本書では娘、母、祖母の3世代と家族という視点を入れ、団塊女性に象徴される母親のかかえる困難さに言及。母はなぜ自らの不幸を語りたいのかを、下記のように区分して世代的背景とともに分析し、その特徴を追っていく。1972年〜 1期ウーマンリブ・フェミニスト主導1996年〜2期アダルト・チルドレン(AC)ブーム2008年〜3期「墓守娘」「母娘本」ブーム2012年〜4期当事者本(体験記)の大量刊行と毒母・毒親ブームそして女性だけの問題にとどまらず、父親(夫)である男性、息子と母と関係にもふれる。また文庫化にともない、母親の高齢化という問題についてエピソードを交えながら言及する新章「高齢化する母と娘たち」、文筆家の水上文氏による解説「容易く解毒させないために」を追加。臨床40年の経験をもとに3世代の共存の方向性を提言する、母娘問題の第一人者による力作。