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タイトル |
沖縄文化論集(オキナワブンカロンシュウ) |
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天体や海洋への鋭敏な感性、孤島の生活、琉球神道とマレビト、古代神話と月、入墨の文化ーー。戦前、柳田国男を中心に高まった沖縄文化研究の熱情は、多彩な才能と関心をとりこみ、広がりをみせていく。沖縄文化をどこに見出すのか。そして沖縄戦の荒廃を乗り越え、文化的アイデンティティをいかに再興するか。時の流れにより失われたもの、なお変わることのないものを見つめる珠玉の15編を、詳細な注釈・解説とともに読み解く。
「このたびの戦乱によって、中断せられた色々の学問の中でも、取り分け再興のむつかしい一つは、南の島々の文化史の研究である」 ── 柳田国男(本文より)
はじめに (石井正己)
1 序にかえて
沖縄の風物
沖縄の土俗 (稲垣 国三郎)
2 沖縄文化の発見へ
『海南小記』序 (柳田国男)
海南小記・沖縄編 (柳田国男)
琉球の宗教 (折口信夫)
南島の自然と人 (伊波普猷)
月と不死──若水の研究の試み (ニコライ・ネフスキー)
沖縄語問題──国語問題に関し沖縄県学務部に答うるの書 (柳宗悦)
3 沖縄文化の復興へ
『沖縄文化叢説』編纂者の言葉 (柳田国男)
沖の泡 (幣原坦)
ウルマは沖縄の古称なりや (伊波普猷)
女の香炉 (折口信夫)
南島の入墨(針突)に就いて (小原一夫)
尾類考 (柳田国男)
4 跋にかえて
沖縄の思い出 (柳宗悦)
解説 沖縄文化研究の情熱 (石井正己)
参考文献