病院に忽然と現われ、子どもたちの願いを叶える謎めいた黒服の青年。難病も嘘のように完治するが、子どもたちの態度が豹変し異様な言動をするという。心霊案件を扱う佐々木事務所に相次いで同様の相談が舞い込んだ。原因を探るるみは、土地にまつわる月と観音信仰が鍵だと掴むが、怪異は治まらない。孤独な闘いの中、彼女はある恐ろしい疑惑に捕らわれるーー願いは代償を要求し、祈りは呪いに変貌する。底なしの悪夢に引きずりこむ民俗学カルトホラー!
第一章 晦
第二章 三日月
第三章 半月
第四章 十三夜
第五章 待宵
終章 満月