水沼加穂留は神奈川県警の巡査部長。捜査一課への配属希望は通らぬまま30歳までキャリアを重ね、春の異動で「訟務課」へ。警察が訴えられた民事裁判の対応をする部署だ。ほどなくして外部からも新人の新崎大也がやって来る。淡々として同僚と関わらない彼だが、実は弁護士の資格を持つらしい。なぜ弁護士が警察職員に?そんな折、強盗犯グループへの違法捜査を問う裁判が発生し、加穂留と新崎が担当することに。威圧的な取り調べはなかったという捜査一課の言葉を信じ、彼らを守ろうと公判に臨む加穂留。しかし法廷で、関与した警察官の「嘘」が暴露されー。違法捜査は本当にあったのか?法と組織、ふたつの正義の間で揺れる巡査部長・加穂留の決断はー。圧巻の法廷×警察小説。