「殿の愛馬が亡くなった?」
美園(みその)藩城主お気に入りの愛馬・流れ星が突如息を引き取った。死因は不明。亡き父の家督を継ぎ、徒(かち)目付に就いた夏目要之助は、上役から原因を突き止めるよう命じられる。要之助は同輩の西島主馬、配下の青木清兵衛とともにさっそく探索に赴くが、直後、馬方の一人が何者かに殺された……。愛馬の死の裏には何が? 和菓子屋の娘・お菊に心奪われながらも、お役目に邁進する要之助の多事多難!
武士はいつもやせ我慢
上役からの無理難題、母からの小言、町娘との淡い恋……徒目付・夏目要之助が今日もゆく!
これぞ時代小説、新シリーズ!
第一章 損な役いつもお定まり下役よ
第二章 例によって能なし上役なにもせず
第三章 殺人が引き合わせる恋の花
第四章 ひとり者寂しき思いいずこへや
第五章 非番でも泣き言いえぬ身のつらさ
第六章 犯人は霧の向こうで笑っている
第七章 旨いとこかっ攫っていくのは鳶かえ