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タイトル |
オノマトペ 擬音語・擬態語の世界(オノマトペ ギオンゴギタイゴノセカイ) |
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「ゴーン」などの擬音語、「ピカピカ」などの擬態語を総じて称する「オノマトペ」。誰もが日常的に使っているこれらの言葉、抽象的で単純で幼稚なものと思われるかもしれないが、実は奥が深い。『古事記』で登場する「もゆら」とは何の音?『ゴルゴ13』で「シュボッ」と火を点けるようになるまでの顛末は?川端康成はなぜ『伊豆の踊子』の踊子を「コトコト」笑わせたのか?豊富な例やエピソードから、日本語を深くほりさげる。
はじめに
オノマトペとは/日本語の「へそ」/「へそ」はヒトの根源/だからオノマトペは日本語の根源
第1章 創って遊べるオノマトペ
新オノマトペ「ダズーン」/未知の言葉を推測する/言語ボスと言語伝道師(プリースト)/「オッパッピー」はオノマトペか!?/黄金の釘打つ/オノマトペは語尾次第/オノマトペの「もと」の変幻/オノマトペの「もと」をあみだす/意味を吹き込むトレーニング
第2章 愛でる・感じるオノマトペ
ゴルゴー13、「シュボッ」の謎を追う/最初は違っていた/次に現われたものは……/「シュボッ」登場!/「コトコト」の歴史を探る/「コトコト笑う」を使ったのは……/なぜ「コトコト」笑ったのか?/どんな笑いなのだろうか/「クツクツ」笑う/「クツクツ」と「コトコト」/「コトコト笑う」にいたるまで/『伊豆の踊子』のオノマトペ/絶妙に使われたオノマトペ/国語の教科書でも/オノマトペを愛でる、感じる
第3章 オノマトペのある暮し
食べるオノマトペ/カキフライをかみつぶす/辞書の記述/「ぐっちゃり」の今/カキフライを「ぐっちゃり」/マイナス逆転仮説の検証/さらに食べるオノマトペ/寝ても覚めてもオノマトペ/方言のオノマトペ/日本全国オノマトめぐり/方言オノマトペの広がり
第4章 オノマトペは歴史とともに
最も古いオノマトペ/『古事記』の表記方法/太安万侶の苦心と工夫/万葉仮名とオノマトペ/ヤマトタケルは足が「たぎたぎし」/山上憶良は鼻「びしびし」に/表語文字と表音文字/表語文字としての漢字/表音文字としての万葉仮名/万葉仮名の発達したわけ/万葉仮名から略体仮名へ/平安王朝のオノマトペ/中世の先生が使ったオノマトペ/川柳のオノマトペ
第5章 オノマトペの果たす役割
「なごみ」のオノマトペ/しぐさとセットで/もう「ギリギリ」です/だれが教えたオノマトペ?/使いすぎては……/オノマトペのTPO/「バキャーン」と絵の相性/ぐっとタッチ/「むかつく」のあやうさ/オノマトペのはたらき/オノマトペを入り口として
終章 研究が進むオノマトペ
外国語のオノマトペ/外国語の擬音語/漫画のオノマトペ/宮沢賢治のオノマトペの三層/賢治オノマトペの工夫/オノマトペの今後
新書版あとがき
文庫版あとがき
参考・引用文献ほか