かつて人々は、どのように火を使い、暗闇を照らしてきたのか。照明・煮炊き・暖房ほか、火にまつわる道具や風習の実例を丹念に集め、日本人の生活史を辿る。暮らしから次々と明かりが消えていく戦時下、「火の文化」の背景にある先人の苦心と知恵を見直した意欲作。解説・石原綏代、池内紀
はしがき
やみと月夜
ちょうちんの形
ろうそくの変遷
たいまつの起こり
盆の火
燈籠とろうそく
家の燈火
油とあんどん
燈心と燈明皿
油屋の発生
ランプと石油
松のヒデ
松燈蓋
屋外の燈火
火の番と火事
火をたいせつにする人
火を作る法
ほくちおよびたきつけ
いおうつけ木と火吹竹
民の煙
しばと割木
ホダと埋火
火を留める
炉ばたの作法
下座と木じり
火をたく楽しみ
火正月
炉のかぎのいろいろ
かぎから鉄輪へ
おかまとへつい
庭かまどの変遷
こんろになるまで
漁樵問答
わらとわら灰
木炭時代
ふろとこんろ
町の燃料
燃料の将来
火の文化
注釈
解説 石原綏代
新版解説 池内 紀