あえて一言でいえば、本書は《他者》あるいは《外部》に関する探究である。それらの簡単な語は、自分自身を含むこれまでの思考に対する「態度の変更」を意味している。しかし、書いているうちに私のなかでもっと根本的な「態度の変更」がおこった。つまり、私はこの仕事を無期限に持続するだろうという気がしてきたのである。書くことが生きることであるということを私は始めて実感している。(あとがきより)
1 他者とははにか
2 話す主体
3 命がけの飛躍
4 世界の境界
5 他者と分裂病
6 売る立場
7 蓄積と信用ーー他者からの逃走
8 教えることと語ること
9 家族的類似性
10 キルケゴールとウィトゲンシュタイン
11 無限としての他者
12 対話とイロニー