中国の厖大な富が、大奢侈となって降りそそぐ。甍(いらか)を競う巨大建築、万余の船を浮かべる大運河。果てしない宴と後宮三千の美女、美食と奇食、大量殺人・麻薬の海。そして贅のフロンティアを心に求めた精神の蕩尽まで。紂王(ちゅうおう)・始皇帝・煬帝(ようだい)などの皇帝から貴族・大商人へと受け継がれ、四千年を華麗に彩った贅沢三昧のなかに、もうひとつの中国史を読む。(講談社学術文庫)
中国の厖大な富が、大奢侈となって降りそそぐ。甍(いらか)を競う巨大建築、万余の船を浮かべる大運河。果てしない宴と後宮三千の美女、美食と奇食、大量殺人・麻薬の海。そして贅のフロンティアを心に求めた精神の蕩尽まで。紂王(ちゅうおう)・始皇帝・煬帝(ようだい)などの皇帝から貴族・大商人へと受け継がれ、四千年を華麗に彩った贅沢三昧のなかに、もうひとつの中国史を読む。
第1章 皇帝の贅沢
1.酒池肉林
2.狂気の不滅願望
3.巨大建築マニア
第2章 貴族の贅沢
1.美意識の洗練
2.女たちの幻想空間
第3章 商人の贅沢
1.欲望の自己増殖
2.文化を「買う」
第4章 贅沢のブラック・ホール
1.宦官の呪われた贅沢
2.血の快楽
3.王朝贅沢史の総決算
第5章 精神の蕩尽
1.酒浸りか薬漬けか
2.流罪も楽し
3.漂流する市隠