近代政治学の古典として名高い『君主論』。その著者マキアヴェッリは、都市国家が並び立つルネサンスのイタリアにあって、共和政のフィレンツェ市書記官として活躍。国際政治の荒波のなか、軍事、外交にわたり東奔西走の日々を送った。その豊かな体験を生かして権力の生態を踏まえた統治術として執筆した名著を、政治学の第一人者が全訳し解説する。(講談社学術文庫)
近代政治学の名著を平易に全訳した大文字版。乱世のルネサンス期、フィレンツェの外交官として活躍したマキアヴェッリ。その代表作『君主論』を政治学の第一人者が全訳し権力の獲得と維持、喪失の原因を探る。
献 辞 ロレンツォ・デ・メディチ殿下に捧げる
第1章 支配権の種類とその獲得方法
第2章 世襲の君主権について
第3章 複合的君主権について
第4章 アレクサンドロスによって征服されたダレイオス王国では、アレクサンドロスの死後、その後継者に対して反乱が生じなかったのは何故か
第5章 征服される以前、固有の法に従って統治されていた都市や君主国をどう支配すべきか
第6章 自己の武力と能力とで獲得した新しい君主権について
第7章 他人の武力または幸運によって得た君主権について
第8章 極悪非道な手段によって君主となった場合について
第9章 市民の支持によって得た君主権について
第10章 どのようにすべての支配者の力を測定すべきか
第11章 教会の支配権について
第12章 軍隊の種類と傭兵について
第13章 援軍と自己の軍隊とについて
第14章 軍事に関する君主の義務について
第15章 人間、特に君主が称讃され、非難される原因となる事柄について
第16章 気前良さとけちについて
第17章 残酷さと慈悲深さとについて、敬愛されるのと恐れられるのとではどちらがよいか
第18章 君主は信義をどのように守るべきか
第19章 軽蔑と憎悪とを避けるべきである
第20章 砦やその他君主が日常的に行う事柄は有益かどうか
第21章 尊敬を得るためにはどのように行動したらよいか
第22章 君主の秘書官について
第23章 追従を避けるにはどうしたらよいか
第24章 イタリアの君主達はどうして支配権を失ったのか
第25章 人間世界に対して運命の持つ力とそれに対決する方法について
第26章 イタリアを蛮族から解放すべし