親鸞は比叡山での命がけの修行にも悟りを得られず、六角堂へ百日参籠を決意する。そこで待っていたのは美しい謎の女人、紫野との出会いだった。彼が全てを捨て山をおりる決意をした頃、都には陰謀と弾圧の嵐が吹き荒れていた。そして親鸞の命を狙う黒面法師。法然とともに流罪となった彼は越後へ旅立つ。
吉水の草庵にて
選択ということ
法然上人の目
春の夜の誘惑
犬麻呂と綽空
迫りくる嵐の予感
異端の渦の中で
餌取小路の夜
七ヵ条の起請文
恵信の選択
綽空から善信へ
遠雷の夏
法勝寺炎上
首斬られ念仏
別れと旅立ちのとき
愚禿親鸞の海
あとがき