23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。--しかし、ついサスケと寝てしまった。健太郎と一緒にいるのが絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも好きーーそんな身勝手な美緒とサスケの恋は、次第に様相が変わる。あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。
『るり姉』『しずかな日々』『その青の、その先の、』--心の襞を描く作家・椰月美智子が贈る「生きた」恋愛大河小説。
二十三歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。
ーーしかし、ついサスケと寝てしまった。
サスケは、実は健太郎と美緒ともともと同僚だった男の子。確かに話が合うし、一緒にいて楽しいし、昔から仲はよかったけれど、その頃は同じ会社の彼女がいた。健太郎の方がイケメンだし、育ちがいいし、家族も仲がいい。健太郎と結婚するのが、絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも、別に好きなのだ。
そしてサスケは、健太郎という彼がいるけれど、自分には今特定の彼女はいないけれど、美緒のことが大好きなのだ。
いいじゃない、気が合う同士、会いたいもの同士、会ってるだけなんだからーー。
しかしそんな身勝手な美緒とサスケの恋愛は次第に、様相が変わり始める。
好意、愛情、執着、秘密、嫉妬……。人を好きになる気持ち、好きでいる気持ち、恋愛の感覚全てが書きとめられた、恋愛小説の真骨頂。 あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。