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タイトル 中国侠客列伝(チュウゴクキョウカクレツデン)
著者名 井波 律子(イナミ リツコ)
出版社名 講談社
ジャンル 文庫
isbnコード 9784062924139
書籍のサイズ 文庫
発売日 2017年02月11日頃
販売価格 1,155
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「弱きを助け、強きを挫く」侠者たちの壮挙。替天行道、一諾千金……。信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する侠者たち。血湧き肉躍る痛快事を次々と実現するアウトロー達の強さと優しさを読み解く。 侠客の原点は、信義を重んじ個人的利害を度外視して、時には命がけで弱きを助け強きを挫くことにあります。わが国では、侠なる人々が表立って登場するのは、近世江戸時代以降だが、中国の侠の歴史は、古代にまで遡ります。 中国史上、「侠者」が出現するのは、諸国が分立した春秋時代(前七七〇-前四〇三)以降です。春秋時代も後期に入ると、老子、孔子、墨子など、乱世において、人はどう生きるべきか、社会はどうあるべきかを模索する思想家があらわれ、こうした思想家と侠者の共通性があります。 孔子は、「義を見て為さざるは勇無き也」など、信義を重視しました。また、「言必ず信、行必ず果」など、個人の不屈の意志や行動力を称揚します。老子にも「大道廃れて仁義有り云々」と仁義を強調する発言があり、墨子は大国が小国をむやみに圧迫・攻撃することに反対して、「非攻」論を唱え、「弱きを助け強きを挫く」を実践しました。道家にも墨家にも侠者の精神に通じるものがあるのは確かです。 信義を重んじ、果断に行動する侠者的存在は、乱世のエトスのなかから、儒家、道家、墨家などの思想と軌を一にして生まれたようです。侠の精神に、これらの思想と共通点があるのも当然でしょう。 本書は、歴史と物語の両面から、『史記』『三国志』などの歴史書、『水滸伝』『聊斎志異』や元代の戯曲などから、選りすぐりの中国の侠者の変遷を具体的にたどり、スケールの大きな大陸的「侠」の世界に遊びます。 はじめに 実の部 歴史上の侠  第一章 輩出する侠者たち 春秋戦国時代  第二章 変わりゆく遊侠無頼 漢代  第三章 三国志の英雄 三国六朝時代 虚の部 物語世界の侠  第四章 超現実世界の物語ーー唐代伝奇の侠  第五章 侠者のカーニバルーー『水滸伝』  第六章 舞台の上の侠ーー元・明・清代 結びにかえてーー清末にみる侠の精神   あとがき  参考文献






 
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