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タイトル |
掌篇歳時記 春夏(ショウヘンサイジキ ハルナツ) |
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麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)--あまりにも美しい、四季を彩る“季節の名前”。
古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
二十四節気、七十二候
萌え出ずる春、青々と爽やかな夏、紅葉に染まる秋、しんと静まった冬ーー。四つの季節をそれぞれ六等分した“二十四節気”は、春の兆しが現れる立春、次第に夏めく立夏、夜が最も長い冬至などを示す。
それをさらに三等分した“七十二候”。暖かな雨が降り注ぎ大地が潤う「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる)」、蛍が姿を現し始める「腐草蛍為(ふそうほたるとなる)」など、その時期に起こる出来事をそのまま名前にした。
移ろいゆく季節にここまで細やかに、そして美しい名前をつけた古(いにしえ)の人々。旧暦の魅力を、掌に収まるような十二篇の小さな物語を通して、感じてみませんか。
瀬戸内寂聴「麋角解」
絲山秋子「雉始鳴」
伊坂幸太郎「鶏始乳」
花村萬月「東風解凍」
村田沙耶香「土脉潤起」
津村節子「桃始笑」
村田喜代子「雷乃発声」
滝口悠生「虹始見」
橋本 治「牡丹華」
長嶋 有「蛙始鳴」
高樹のぶ子「蚕起食桑」
保坂和志「腐草為螢」
白井明大「いま季節の名前を呼ぶこと 二十四節気七十二候について」