罰を受けても罪は消えない。なら、どう生きていけばいい?
『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』--
贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。
「自分は運が悪かっただけだ……」
女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生
「やらなければいけないことがあるんだ」
愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男
ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものはーー?
深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。