幻獣は、妖怪でも幽霊でも未確認生物でもない。異界からやってきたこの“不可思議な生き物”は、多くの日本人を魅きつけ、ある時は恐れられ、ある時は敬われながら伝承されてきた。河童、鬼、天狗、人魚、龍のほか、未来を予知する人面牛・件(くだん)、雷が鳴ると空から落ちてくる雷獣、馬を一呑みにした蜥蜴(とかげ)など千差万別だ。
本書は、江戸時代から明治時代を中心に、各地の瓦版、錦絵、妖怪本、ミイラ、報道記事、絵葉書などをとおして、その時代背景を交えながら、奇想天外な生き物たちの世界に迫る。絵図を多数収録!
「これは、人々が求めたロマン溢れる記録だ!」朝里樹氏
【目次】
はじめに
1章 幻獣名鑑
河童
鬼
天狗
人魚
龍
雷獣
その他の幻獣たち
2章 予言する幻獣
件
アマビコ
アマビコの系譜
予言獣の共通性
吉祥の幻獣たち
異形の幻獣
3章 記録のなかの幻獣
メディアと幻獣
江戸の幻獣文献
幻獣のデザイン
4章 幻獣の背景
予言獣の創造
諷刺としての幻獣
ミイラの伝承