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生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」(セイブツガクシャトリョウリケンキュウカガカンガエルリソウノレシピ) |
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私たち人間の体は、私たちを構成する分子のレベルで考えると、一秒たりとも休むことなく生まれ変わっている。一年足らずで私たちの体は、「まったく別人のように」変わってしまう。にもかかわらず、私たち人間はそうした変化を感じることもないし、決して動きを止めることのない変化に混乱なく生命を維持し続ける。こうした生命の在りようを著者の生物学者福岡伸一氏は「動的平衡」と呼ぶ。
「動的平衡」の在りようをわかりやすく示した表現として、福岡伸一氏は鎌倉時代に鴨長明が著した『方丈記』の冒頭の一節をあげる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
当然のことながら、そうした人間の「動的平衡」状態を維持するためには「食」が必須条件である。そして、その「食」がいかなる「材」と「質」と「加工」によって構成されているかが、人間という生命の「動的平衡」の健全度、健康度を大きく左右することになる。
本書の前半部では、第一線の生物学者である福岡伸一氏が、この「動的平衡」についてわかりやすく解き明かしながら、人間にとっての「食」の意味、理想の「食」のあり方を生物学的観点から解説。後半部では、福岡伸一氏の主張を踏まえながら、料理研究家である松田美智子氏が「理想のレシピ」を紹介。そのレシピ、食材についての福岡伸一氏が解説。