傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』--。
二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。
これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。
夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する……
あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。
そして、はたしてゴヂラは現れるのか?
世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。
序章 幸福の黄色いハンカチ
第一章 お掃除する人
第二章 ニッポンのポルノ
第三章 漂流教室
第四章 ボスは森高
第五章 長崎は今日も雨だった
第六章 銃より他に神はなし
第七章 火星人襲来
第八章 朝日のようにさわやかに
作者からのお知らせ
第九章 ぬいぐるみ戦争
終章 ゴヂラ
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