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タイトル |
正しき地図の裏側より(タダシキチズノウラガワヨリ) |
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「耕一郎は絶対、幸せになる資格があるからね」定時制高校に通いながら、無職の父に代わり働く耕一郎。一九九四年一月、彼は苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づき、父に問い質す。すると、金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。しかし僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのときー。「…なに、訳あり?」公園の隅、ホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。青年は、出会いと別れを繰り返す。残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた彼を、待ち受けていたものはー。第36回小説すばる新人賞受賞作。