直木賞作家の歴史小説『かたづの!』を
日本を代表する漫画家が丹念かつ流麗にコミック化!
江戸時代、女性という立場で、清心尼はいかにして
有象無象の敵を前に行き抜いたのか。
「武器を持たない戦い」を信条とする女大名の一代記。
慶長5年(1600年)、角を一本しか持たないカモシカ
が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。
お互いに惹かれ、両者は友情を育む。やがてカモシカは
寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助け
する一本の角ーー南部の秘宝・片角(かたづの)となる。
平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。
その陰には、叔父である南部宗家・利直の策略が絡んでいた。
東北の地で女性ながら領主となった彼女は、数々の困難に
どう立ち向かったのか。戦をせずに家臣と領民を守り抜いた
江戸時代唯一の女大名「清心尼」の一代記。
八戸・遠野を舞台に描く、中島京子氏初の歴史ファンタジー
小説の世界観を、漫画で再現した最高傑作。
里中 満智子(さとなかまちこ)
1948年1月24日、大阪生まれ。
第1回講談社新人漫画賞を受賞し16歳でデビュー。
72年『あした輝く』『姫が行く!』 で講談社出版文化賞受賞。
82年『狩人の星座」で講談社漫画賞を受賞。
2006年日本漫画家協会文部科学大臣賞受賞。
10年文化庁長官表彰受賞。
13年古事記出版大賞太安万侶賞受賞。
14年外務大臣表彰受賞。
15年持統天皇を主人公にした『天上の虹』を32年かけて完結。
日本漫画家協会理事長、文化庁日本遺産審査委員会委員。