無益な戦、秀吉に面従腹背で臨む行長
秀吉の臣下、武人・加藤清正と商人・小西行長は、好対照をなす武将だった。
大陸侵攻の戦は、すべてが徒労だった。恨みと不満は朝鮮を焦土と化して、飢えと寒さが民と兵を襲った。この無益な戦を止めるため、清正に先を越されないよう、行長は才の限りを尽くして、清正を翻弄する、同時に面従腹背で臨んでいた秀吉の死を待っていた……。
そして、ついに秀吉は死んだ。戦いは終わったのだ。が、一人の野望家が消えれば、新しい野心家が現れ、また新たな戦いが繰り広げられていく。
小西行長と加藤清正の宿命の体験は、まだ終わっていなかった……。