200%ピュアな恋愛小説、待望の文庫化!
夏休み中、交通事故に遭った古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまった学校生活に復帰する古谷野。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。
同じクラスで同じ写真部の生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、古谷野の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。当初、他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも古谷野に向けられたメッセージのようだった。
最初はとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた古谷野。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは……。
疾走感のある文章に引っ張り込まれ、ラスト、驚きの展開が待っている。学園ミステリーの向こうに見えてくる切ない切ない想いが胸に迫る、極上の一冊。
【編集担当からのおすすめ情報】
切ない!とにかく切ない!そして、単行本発刊当時から話題となったラストの展開。こんなにピュアな恋愛小説があるでしょうか。そして、あらゆる意味で現代を表している……。
巻末、吉田大助さん(書評家)の解説原稿にはこうあります。
「この小説を読んだという記憶はきっと、自分自信の人間性を新しく作り替えていくための礎になる」
まさに、今、読むべき恋愛小説です!!!
目次
序章 その日、少年が失ったもの
1 メッセージ、もしくは
2 君の優しさの理由
3 彼と彼女と彼女の秘密
4 遠のく背中、遠回りする嘘
5 手の届かない数字
6 死んでしまえばよかったんだ
7 彼を二度も失うなんて
終章 その日、少年が取り戻したもの
解説 ミステリーのビートにのせて、愛についての物語を。 吉田大助