昭和・戦後期は、純文学が熱く読まれた。文学が躍動した時代だーー。一九四五年八月から八九年一月までの間に発表された作品から現代詩作家・荒川洋治が名篇を厳選。志賀直哉、高見順から田中小実昌、色川武大まで昭和という時代を彩った全十四篇を発表年代順に収録。戦後文学アンソロジーの決定版。文庫オリジナル。〈編集・解説〉荒川洋治
【目次】
灰色の月/志賀直哉
草のいのちを/高見順
萩のもんかきや/中野重治
橋づくし/三島由紀夫
軍用露語教程/小林勝
水/佐多稲子
おくま嘘歌/深沢七郎
一条の光/耕治人
明治四十二年夏/阿部昭
神馬/竹西寛子
ポロポロ/田中小実昌
泥海/野間宏
葛飾/吉行淳之介
百/色川武大
解説/荒川洋治