連帯か孤立か、独裁か民主主義か──人類はコロナ禍を経て、どのような選択をするべきか。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界はいま、さまざまな局面で転換点を迎えている。本書ではまず、感染症がいかに時代を動かしてきたか、現下状況と類比し、詳細に分析。その歴史的知見を手掛かりに、この危機は、人類にとって、リスクなのか、クライシスなのかを正確に見極める。インテリジェンスに長けた著者ならではの視点で、ポスト・コロナにおける、アメリカ、中国、ロシア、英国、EU諸国、イスラエルなど大国の生存戦略を展望。さらに、日本の未来と人間の生き方に確固たる指針を示す!
序 章 連帯か孤立か、独裁か自由民主主義か
第1章 感染症が国家の秩序を変えた──「ポスト・コロナ」を世界史で解く1
1 疫病が勢力図を塗り替えた ──アテネとスパルタの攻防
2 指導者の質が歴史を左右する ── 古代ローマの失敗
3 ペストが開いた中世への扉
4 中央集権化と社会的格差 ──一四世紀、黒死病の猛威
5 ホッブズ的国家とロック的国家 ── 近代国家の二つの潮流
第2章 グローバリゼーションと感染症 ──「ポスト・コロナ」を世界史で解く2
1 ユーラシアの東西をパンデミックが席巻
2 感染症と帝国主義
3 スペイン風邪 ── 顕在した国家間格差
第3章 新・帝国主義の再編成 ── 大国の生存戦略をさぐる
1 「新・帝国主義」の本質
2 アメリカ ── 混迷を深める大統領選後の状況
3 英国とEU ── 「コモンウェルスの回帰」と「ドイツ第四帝国の矛盾」
4 ロシアと中国 ── 露骨な国益の主張
5 日本 ── 行政権拡大の背景に何があるのか
6 情報資本主義の未来 ── 「GAFA vs. 国家」のゆくえ
第4章 人類の選択 ── 「トッド・モデル」「ハラリ・モデル」から考える
1 大国の戦略をタイポロジカルに見る
2 時代は「全体主義」に向かう
3 「薄い人間関係」で社会を変える
終 章 「選択の時代」の宗教・文学・哲学