『七王国の玉座』から遡ること約一世紀、ターガリエン家がウェスタロスを統べる時代、“草臥しの騎士”ダンクと、その従者エッグの冒険を描く中篇3篇を収録。“氷と炎の歌”シリーズ初の短篇集。「草臥しの騎士」-ダンクは、旅の途上で死した師、サー・アーランの亡骸を葬った。武具と馬、わずかな貨幣を受け継ぎ、草臥しの騎士となり旅を続けるダンクは、禿頭の少年エッグに出会う。ダンクは騎士としての矜持を示すため、アッシュフォードでの馬上槍試合に出場するが…。「誓約の剣」-不落城のサー・ユースタスに仕えるダンクは、河間平野の干上がった川を調べる途中、冷濠城のレディ・ローアンの領民が川をせきとめ、水を独占していたことを知る。ローアンに謁見したダンクは彼女に心惹かれるものを感じるが…。「謎の騎士」-北の“壁”に向けてエッグとともに旅の準備をするダンクは、バターウェル公が催す馬上槍試合への出場を決意する。だが、試合会場である白亜城では優勝者に与えられる“ドラゴンの卵”をめぐって、さまざまな陰謀が渦巻いていた。