ベストセラー『永遠の仔』『悼む人』の著者が故郷・道後温泉を舞台に描く、現代社会への「希望の灯火」。
「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。
行く場所も帰る場所も失った15歳の少女は、この宿の美人女将からこう声をかけられる。
「あなたには、、帰る場所がありますか」
女将や地元の人々との交流を通じて、少女は、自らの生き方と幸せを見つけられるか。
「他者に対して不寛容になっていく時代だからこそ、手を差し伸べあって、希望と悲しみを分かち合う理想郷が必要である」と語る天童さんが紡いだのは、「本当の幸せ」をみつけるための物語。