もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたいーー(解説・俵万智)
宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林秀雄、ユングらの、死者や哀しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。
「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」--自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる。
日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。
文庫化に際して「死者の季節」「あとがき」を増補。
カバーと本文内を、世界的に人気の高いアーチスト・沖潤子の作品が
優しく深く彩る。大切な人に贈りたい、特別な一冊。
1 悲しみの秘義
2 見えないことの確かさ
3 低くて濃密な場所
4 底知れぬ「無知」
5 眠れない夜の対話
6 彼方の世界へ届く歌
7 勇気とは何か
8 原民喜の小さな手帳
9 師について
10 覚悟の発見
11 別離ではない
12 語り得ない彫刻
13 この世にいること
14 花の供養に
15 信頼のまなざし
16 君ぞかなしき
17 模写などできない
18 孤独をつかむ
19 書けない履歴書
20 一対一
21 詩は魂の歌
22 悲しい花
23 彼女
24 色なき色
25 文学の経験
26 死者の季節
単行本あとがき
文庫あとがき
解説 俵万智