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タイトル |
武器化する経済 アメリカはいかにして世界経済を脅しの道具にしたのか(ブキカスルケイザイアメリカハイカニシテセカイケイザヲオドシノドウグニシタノカ) |
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対中半導体輸出規制など、ますます進む「経済の武器化」の行方は?
本書が明らかにしているのは、国際社会における「パワー」とは、単に軍事力や経済力といった目に見えるものだけでなく、通信ネットワークを管理する力、規制を他国に押し付ける力、通貨をコントロールする力である。こうした目に見えない権力は、ともすれば見落とされがちだが、本書は、そうした目に見えない力こそが地政学・地経学的なパワーとなっていることを余すところなく示している。グローバルな文脈では、米中対立が取りざたされ、中国の追い上げによって米国の圧倒的な軍事力や経済力が失われつつあるが、それでもなお米国がグローバルな超大国として君臨し続けられるのはなぜなのか、ということを本書はつまびらかにしている。その意味で、本書は、現代における米国の地経学的パワーを再確認し、それを高く評価しつつ、そのパワーを永続的に発揮するための国際秩序のあり方を示している。(日本語版解説「『武器化した経済』での戦いの勝者は誰か?」より)
■『武器化する経済』の主な内容
序章 すべての道はローマに通ず
第1章 ウォルター・リストンの世界
第2章 監視地図ストーム・ブリュー
第3章 砲煙のない戦争
第4章 冬の寒さで目覚める
第5章 フックに翻弄された船長
第6章 風と光の帝国
解説 「武器化した経済」での戦いの勝者は誰か?
鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)