意識改革と業務改革でつくる「新しい公共」
2040年には団塊ジュニア世代が高齢者の仲間入りしますます少子高齢化が進み、2050年までに全国で744の自治体が消滅の危機にあるとも言われる日本。高齢者対応はもちろん、自然災害の増加もあって行政の仕事も増え続けている。自治体職員が今後大幅に増える見込みはなく、このままでは自治体消滅も現実味を帯びてくる。
こうした深刻な状況を乗り切るためにすべきこと、それは「新しい公共」をつくることである。これまで「公共」と「行政」はイコールだった。しかし社会問題が複雑化・増大する中では、問題の解決を行政だけに押し付けるべきではない。行政以外のプレーヤーが公共サービス維持に参画するといった仕組みや世界観をつくるべきである
自治体も変わっていかなければならない。職員の仕事の仕方は従来の「手続き処理型」から「問題解決型」に変える必要がある。つまり、上から言われた仕事をミスなくこなすという「お役所仕事」から、あるべき姿と現状のギャップからその原因を探り出し、それを解決するというサイクルを回すような思考プロセスへと変えていかなければならない。
一方、自治体の幹部にも意識改革は不可欠だ。これまでの「ハコモノ行政」から「パーパス行政」への変革が必要である。それは職員のエンゲージメントとロイヤルティの向上にもつながる、重要な「経営改革」である。
本書は、新しい公共、新しい行政を実現するために今何をすべきか、どう変わればいいのかを伝える、高い志を持った自治体職員への熱きメッセージである。
序 章 いま行政に何が起こっているのか
志の高い若手職員が辞めていくという現実
第1章 未来予測1 -「社会」はこう変わる
2040年に直面する変容の数々
第2章 未来予測2 -行政との「関係性」も変わる
様々な関係の変化が行政にどう影響するのか
第3章 改革の処方箋「組織・業務」編
経営戦略・経営視点が新しい文化・風土をつくる
第4章 改革の処方箋「人」編
これからの自治体を担う「人」の育て方
第5章 地域に寄り添う“主役”として
高い志を持った“行政”は地域創生の要
終 章 あとがきにかえて