古典は骨董品ではなく、日常使いの器なのだ。使ってナンボ。その使いかた、楽しみかた、味わいかたが、本書にはたっぷり盛られている。安田節というユーモアとエロスのダシを効かせて。--俵万智(歌人)
古典には立派なことばかり書いてあるわけではない。底無しの煩悩、醜い邪心、制御不能な愛欲、えげつない話ーー教科書には載らない部分こそ、 人間の真の姿を映し出してくれる。『古事記』『万葉集』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、能楽界の奇才が縦横無尽に語る。
NHK「100分 de 名著 平家物語」講師で好評を博した安田登の最新刊
★装画=しりあがり寿 ★ブックデザイン=佐藤亜沙美(サトウサンカイ)
【目次より】
古事記の大便と定家の扇/お正月と罪と生贄/歌の世界へ/アダルト小説としての浦島太郎/ふつうの人のための論語/誠を極める/ゲス不倫どころではない『伊勢物語』/源氏物語ごっこしませんか/魂を鎮める/呪詞としての和歌/音の文学/闇の文学/能ーー眠りの芸術/初心忘るべからず/随筆なう/優雅な貧乏生活/カネとオンナ/ホームレス賢者のように/『おくのほそ道』を歩くこと/江戸のきわどいベストセラー/怪談、怨霊、鎮魂/漢文と日本人/声に出して読みたい『南総里見八犬伝』/私たちは何者か