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タイトル |
ダイソン博士の太陽・ゲノム・インターネット(ダイソンハカセノタイヨウゲノムインターネット) |
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太陽・ゲノム・インターネット。これは、来たるべき21世紀の社会と科学技術における3つのキーワードだと、アメリカの著名な理論物理学者フリーマン・ダイソンが、情熱を込めて語ります。ダイソン教授は、天文学、宇宙工学、生物学、そして科学史にも精通しています。そのため、科学技術の各分野の専門家が近い将来の未来予測を行なうのとは異なり、科学技術がどのように発展し人類社会をどう変革するかを予測するだけでなく、望ましい人類社会の建設に貢献するために科学技術はどう発展すべきかということを、科学史と社会倫理に基づいて論じます。つぎに宇宙旅行の夢を語ります。日本国内ではほとんど議論されない、アメリカのスペース・シャトルによる過去の宇宙開発計画の批判から始まり、国家プロジェクトの推進方法がまず議論されます。そして、現在進行しているゲノムや宇宙の研究が人類の宇宙進出を否応なく促すことを前提に、低コスト化という成功すべき条件をもつプロジェクトに必要な新技術を紹介します。さらに、ヒト・クローニング問題に隠れて議論があまりなされていない生殖遺伝学とインターネットの技術は、下手をすると、人類の貧富の差だけでなく種の分化までもひき起こす危険性があると警告します。本書は、単に未来を夢見る本ではありません。また、堅苦しい理屈だけの本でもありません。たくさんの身近なエピソードを使って、特別な科学技術の知識を持たなくとも理解できるように、ていねいに書かれています。
序章
第1章 科学革命
第2章 科学技術と社会正義
第3章 宇宙への道
エピローグ