東日本大震災で、大津波に襲われた宮城農業高校。
教師らは生徒を全員避難させたあと、大切に育ててきた牛の命も救おうと、津波の到来直前に牛舎へ向かいますーー。
牛たちは津波に何キロも流されながらも、奇跡的に生き残ったのです。
勇気ある行動が起こした奇跡と、その後、校舎や施設がすべて流され授業もままならない状況で、牛のコンテスト「共進会」に挑戦していく高校生たちの姿を描いた、感動の物語。
【ここがポイント】
・被災地に勇気を贈った実話です
・教師らの行動に胸が熱くなります
・「命の大切さ」を問いかけます
【編集者コメント】
著者の堀米さんご自身も、宮城県で牛を飼っている農家です。
東日本大震災で、多くの方々だけでなく、たくさんの牛や豚、にわとりなどの家畜が犠牲となったこと胸を痛めていました。
そんな時、新聞で宮城農業高校のニュースを知ったそうです。
「津波の直前に、牛を助けるために走った先生たちがいたんなんてーー」。そんな驚きから、著者の取材がスタートしました。
実際に津波の被害にあった宮城農業高校の牛舎の跡地を歩き、津波の威力の大きさにふるえました。
しかし、津波に流されながらも奇跡的に助かった牛たちと共に、共進会に向かって努力を続ける先生と生徒さんたちは、本当に希望と熱意に満ちて、輝いていました。
「助かった命を大切に育て、つないでいこう」。その思いは、震災を体験した私たちに共通のものではないでしょうか。
著者の渾身の思いがつまった一冊です。ぜひご覧ください。