本書は、大学専門科目である憲法のテキストとして、現在の憲法理論を冷静に記述することを中心に、日本国憲法の条文の内容を解説することを主眼としている。
そして、重要テーマについては学説にも言及するものの、最高裁の解釈を基本とし、なるべく平易に記述して読者の理解を促すよう心がけた。
そのため、判例は、このような趣旨に基づき必要な範囲内で取り上げた。
その上で、本書は、人権を制約する政府の利益を否定することなく紹介し、あわせて国家権力発動の目的とそれが社会に与える有益な効果を強調するという視点を打ち出している。
第1 章憲法の意義と立憲主義
第2 章日本憲法史
第3 章天皇制
第4 章平和主義
第5 章基本的人権の原理、基本的人権の保障と限界
第6 章包括的人権
第7 章平等
第8 章精神的自由
第9 章人身の自由
第10 章経済的自由
第11 章社会権
第12 章国務請求権・参政権
第13 章人権と統治の融合
第14 章国会
第15 章内閣
第16 章裁判所
第17 章違憲審査制
第18 章地方自治
第19 章憲法の最高法規性
第20 章世界の憲法
第21 章日本国憲法の将来