労働法の再設計を試みた画期的な教科書
「おこなわれている」労働法のエッセンスを紹介することに加え、「あるべき」労働法を大胆に提示した斬新な教科書。
裁判規範を重視した伝統的労働法とは違い、企業が人事管理において「労働者の納得を得るよう誠実に説明すべきである」という納得規範(行為規範)を軸とした「人事労働法」により労働法を再設計したチャレンジングな内容。
実務上大きな役割を果たす就業規則を具体的にどう作成するかを示すことにより、法の理念が企業に浸透することを目指す。
序文 本書はなぜ書かれたのか
1 労働法の教科書と解釈論
2 裁判法学的労働法の隆盛
3 紛争の解決から防止へ
4 行為規範と実効性
5 規範的な要件の問題点
6 旧労契法20条の衝撃
7 強行規定から任意規定へ
8 本書の特徴と構成
第1部 総 論
第1章 人事労働法とは何か
1 伝統的労働法から人事労働法へ
2 契約と納得
3 人事労働法からみた現行労働法
4 新たな規制手法をめざして
第2章 人格的利益の保護
1 拘束なき労働の保障
2 安全と健康の確保
3 雇用平等
4 人格的自由の保障
第2部 各 論
第3章 採用と労働契約
1 労働契約の締結
2 人材調達の方法
3 採用と情報
4 採用過程と労働契約の成立
第4章 労働契約上の義務
1 労務提供義務と賃金支払義務
2 労務提供と指揮命令
3 賃金の支払方法に関する規制
4 付随義務
第5章 人事
1 人事権
2 配転・出向・転籍
3 休職
4 懲戒
第6章 評価と報酬
1 格付け制度
2 評価
3 昇進・昇格・降格
4 報酬
第7章 ワーク・ライフ・バランス
1 労働時間
2 休息
3 勤務場所
4 育児・介護
第8章 退職
1 解雇
2 有期労働契約の雇止め
3 定年
4 辞職・合意解約
第9章 労使関係
1 団結権の法的保障と不当労働行為
2 労働組合
3 団体交渉
4 労働協約
5 争議行為と組合活動
第10章 終・序論 デジタル変革後の労働法
1 人事労働法の変容
2 ICTの活用
3 HRテクノロジー
4 規制手法のデジタル化
5 自営的就労者の活用
補説 標準就業規則に組み入れるデフォルト条項について
1 総説
2 標準就業規則で定めるべき条項
【事項索引・判例等索引】