エリザベス・リッチモンドは内気でおとなしい23歳、友もなく親もなく、博物館での退屈な仕事を日々こなしながら、偏屈で口うるさい叔母と暮らしていた。ある日、止まらない頭痛と奇妙な行動に悩んだすえ医師の元を訪れる。診療の結果、原因はなんとエリザベスの内にある、彼女の多重人格だった。ベス、ベッツィ、ベティと名付けられた別人格たちは徐々に自己主張をし始め、エリザベスの存在を揺るがしていく…“孤高の異色作家”ジャクスンの、研ぎ澄まされた精緻な描写が静かに炸裂する、黒い笑いに満ちた傑作長篇がついに登場!(1954年作)