20世紀前半の半世紀近い間、フィリピン総督、国務長官、陸軍長官など、アメリカ政府の要職に就き、原爆投下など、数々の政策決定にその中核メンバーとして参画したヘンリー・スティムソンが、その生涯を多角的に語りつくした回顧録。近現代アメリカ史、さらには近現代史を知るうえで欠かすことのできない必読書。
セオドア・ローズヴェルト、タフト、フランクリン・ローズヴェルト、トルーマンら歴代アメリカ大統領との生々しいやりとり、チャーチルやスターリン、ムッソリーニら各国要人との息詰まる駆け引き、激動する世界の渦中で分裂の危機に瀕したアメリカーー当事者だけが語りうる証言の数かずが歴史の舞台裏を明らかにする。
第三部 危機の時代
第一三章 武装を求める
一 ワシントンに戻って/二 新参者/三 最高のスタッフたち
第一四章 一年目
一 新しい陸軍のための人員/二 補給/三 孤独なイギリスに向けて
第一五章 疑惑の谷
一 大統領との意見の相違/二 優柔不断の代償
第一六章 戦争始まる
一 パールハーバー/二 フィリピンを死守せよ/三 陸軍長官
第一七章 軍隊と大戦略
一 パールハーバーから北アフリカへ/二 大いなる決断
第一八章 戦時中の陸軍
一 再編成/二 「現場主義」/三 スペシャリストの場所/四 学生動員/五 陸軍と黒人/六 科学と新兵器
第一九章 全面動員への取り組み
一 軍事動員/二 国民総動員/三 労働者と戦争/四 陸軍と戦時生産ーー行政面における記録/五 宣伝活動
第二〇章 陸軍と海軍
一 スティムソンと海軍将官たち/二 対潜作戦の教訓/三 統合と将来
第二一章 陸軍と大連合
一 スティルウェルと中国/二 フランスーー敗北、ダルラン、ド・ゴール、そして救出/三 FDRと軍政/四 振り返ってみれば
第二二章 平和の始まり
一 主眼点の変化/二 モーゲンソー・プラン/三 侵略戦争の罪/四 再建計画/五 強いアメリカ/六 基地と大国/七 緊急なロシア問題
第二三章 原爆と日本の降伏
一 原爆の製造/二 降伏の達成
第二四章 原爆とロシアとの協調
第二五章 公職最後の日々
一 陸軍の業績評価/二 参謀総長/三 最高司令官/四 結語
あとがき
注記と謝辞
第二次世界大戦略年表
訳者あとがき
索引