好きという気持ちが高まると、周囲に花びらを降らせるという不思議な力を持つ
少数民族〈花の民〉--結婚した相手は富や名声を得ると伝わっていることから、
彼らは別名〈幸福の民〉とも呼ばれている。
人里離れた小さな谷でひっそり暮らす〈花の民〉・ルスランは、
ある日やってきた城の使いに、〈花の民〉の力で
深い孤独を抱えた王・ナフルーズを癒す、花嫁になってほしいと乞われる。
突然の申し入れに驚くものの、隠れて生きるばかりだった<花の民>が
国の役に立てるなら……と、受け入れる覚悟を決めたルスラン。
城に召し上げられ、ついにナフルーズと対面したルスランは、
その場で桃色の花びらを降らせてしまう。
それはつまり、相手への好意ーー“一目惚れ”ということ。
しかしその瞬間、ナフルーズの顔が強張るのを目にしてしまう。
早々に失恋を覚悟したルスランと、それでも優しく接してくれるナフルーズ、
互いに本音を伝えられないまま、二人の新婚生活がはじまるがーー?