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タイトル |
矢柄頓兵衛戦場噺(ヤガラトンベエセンジョウバナシ) |
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なあ、皆の者、よく聞けよー。御歳七十七歳、八十余名の子や孫たちに囲まれて幸せ一杯の旗本・矢柄頓兵衛翁は、若い頃から主君・徳川家康に従い戦場を駆け巡った歴戦の猛者。しかし時は寛永十一年、戦国時代はすでに遠い泰平の世…。武士が平和に馴れ堕落してゆく様を嘆いた頓兵衛翁は、毎月一回一門を集めて自らの体験を語り聞かせることとなった。初陣のこと、戦場のこと、結婚のこと…往時の様子や体験を、厳しくも時にユーモアを交えて生き生きと語り伝える頓兵衛翁。その語り口と人柄につい引き込まれ読み耽ってしまう傑作短編集!