自由な発想で、時代小説の世界に新風を呼ぶ……文芸評論家 細谷正充
傷つけられても脅されても、
妊婦に寄り添う女医がいる。
因習や迷信に振り回される《お産》から母と新しい命を救え。
正月五日、両国広小路。医師見習い長山瑞之助が、破落戸にからまれているのを救った船津初菜は賀川流の産科医だった。縁あって蛇杖院にやって来る初菜だが、瑞之助には心を開かない。しかも命を狙われていても、ひたすら妊婦の元へと足を運んでいた。因習や迷信に振り回され命がけとなるお産に、優しく寄り添う初菜の一途な思いとは? 心も癒す時代医療小説。