食べるってすごいね。生きたくなっちゃう。
大切な「あのひと口」の記憶を紡ぐ、
心に染みる、食にまつわる6つの物語。
日々苦しさに耐えるわたしたちのそばに、本書がある。
なんと心強い道連れだろうか。--寺地はるな
保育園児の息子がいる素子は、友人を誘い、日帰り温泉旅行へと繰り出す。ずらりと並ぶ季節の味覚を前にして、素子は家族の好みを優先するうちに、自分の食べたい物が分からなくなっていたことに気づく。家族が素子の好物を知らないだろうことにも。そして自身も、亡き母の好物を知らなかったことを思い出し……(『ポタージュスープの海を越えて』)。
心にじんわり効く、6つの食べものがたり。