すべての人を元気にする、感動の競馬小説
一頭の馬が人の心を揺り動かし、夢舞台へと駆り立てるーー
家族経営の零細牧場「あかり野牧場」で生まれた一頭の馬は、「北の大地に灯りがともれば」との願いを込めて、キタノアカリと名付けられた。中央競馬デビュー以来、圧倒的着差をつけて連勝し、いよいよG1に挑む。広大な町の狭いコミュニティーは、アカリの話題で持ちきりだった。町全体がそわそわ、ワチャワチャ大騒ぎ。陰で笑われやっかまれ、肩身が狭くなろうとも、牧場主の灯野摂男は、ダービー制覇の夢を見続けた。
大牧場が席捲するG1戦線で、世代7000頭超の頂点に立つことなどできるのか?
牧場を営む家族、馬産地の仲間たち、崖っぷちの騎手……多くの想いを背に乗せて、希望の灯りがターフを駆ける。