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タイトル |
臨床家の感性を磨く(リンショウカノカンセイヲミガク) |
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著者は、乳幼児期の母子臨床から生み出した関係発達臨床の長年の蓄積から、広く一般の患者と治療者の「関係をみる」ことの重要性にも気づいた。しかし、症状や行動と違い目にみえず数値化もできない関係というものを、主観的な独断に陥らずに捉えるにはどうしたらよいのだろうか。大学院で臨床家を育成するなかで、関係を捉え損なう理由とその克服法がみえてきた。本書はその道筋を示すものである。
はじめにーー本書執筆の動機
第1章 こころの病の成り立ちと治療を考える
1 こころはどのようにして育まれるかーー「ヒト」から「人」へ
2 こころの病はどのようにして生じるか
3 こころの病はどのようにしてかたち作られるか
4 こころの病をどのように治療するか
第2章 なぜ臨床家は感性を磨く必要があるのか
1 なぜ今改めて感性を考えようとするのか
2 「関係をみる」ことによって関係病理を捉える
3 「関係をみる」とはどういうことか
第3章 なぜ感性を働かせることは難しいのかーー感性教育を実施してわかったこと
1 感性教育の試み
2 対話の過程から明らかになったこと
3 自分のものの見方の起源に対する自己洞察
第4章 なぜ「アタッチメント」ではなく「甘え」なのかーー感性教育の実際
1 実際の対話の過程
2 対話の過程からみえてきたもの
3 感性教育で何を学んだか
第5章 感性を磨く
1 感性と理性のあいだ
2 感性の働きを阻むもの
3 感性を磨く
4 面接で感性をいかに生かすかーー具体例から
むすびに代えてーー感性は学ぶものではなく、自ら磨くものである